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#177 ボカロが産業として回っていくには [番外編]

【宣伝】新曲「GUMIっぱなしでChu」6/23 アップしますんでよろしく! 
【告知】P名また変更しました! 新P名= 20.5世紀P ってことでお見知りおきを


以前、ボカロ衰退論の話の中で、この問題に触れたんだけど結論が出なかった。
その後いろいろ考えた結果、オレとしての答えがまとまったんで長々と書きました。
お付き合いいただけると幸いです。

【何が衰退か、何が問題か】
前回、「ボカロを使う人も聴く人も増えてるんだから衰退じゃない」と言い切ったけど、ちょっとちがうんじゃないかと思ってきた。
実は、「ボカロで儲からない、ということになったら、スポンサーが去っていく」
ってことなんじゃないかと。
おカネがまわらないと有能なクリエーターが食べていくことができず、レベル的にも衰退する。

しかもその状況が進行しているような気がする。
それを感じたのは今年のニコニコ超会議。なんかボカロ関係のイベントが去年より減ったな、と実感した。
Vocalotracksの今年のGUMI誕イベントも地味な感じだし。
YAMAHAの剣持さんが移動してしまったのもこの流れか?と勘ぐってしまう。

初音ミクが発売されて今年で8年。この間に多くの素晴らしい曲、クリエーターが登場したけど、結局CD販売の衰退を補い、ひっくり返すほどの力にはなっていない、と思う。
おカネ、という点では握手券のモデルに勝てていない、ということなんじゃないか。

【なぜそうなった】
「誰がおカネを払ってくれるのか」という観点でビジネスモデルの設計が行われていないから。
これに尽きると思う。
同人作家が自由に作品を作って無料のコミュニティに発表するという形。
発表する側からは非常に使いやすいしくみなのだが、いい作品、自分の好みの作品を快適に視聴したい、という人にとっては非常に使いにくいものだ。
クオリティの高いものも低いものもまぜこぜで、その中から自分の好きなものを見つけるのには時間と労力がかかるし、プレミアムにしても動画が止まったりする。
スタートアップとしてはよかったが、結局「ヒマはあるけどおカネがない」学生層が視聴者の中心になってしまって詰んだってことだろう。
成り行きに任せたことで、プッシュ型でおカネを払ってくれそうな視聴者にリーチする仕組みができていないってことなんだと思う。

【ターゲッティングとリーチ方法】
まず、ターゲッティング。「誰がボカロにおカネを払うのか」を見定めてみよう。
これは、90年代初頭の日本のレコード業界の変革を思い起こせばおのずと答えは出る。

当時、貸レコード業の台頭で、レコード業界は相当の危機感を持っていた。
TVやラジオのベスト10番組でハイローテーションで回して視聴者を洗脳する、というモデルだったが、そこで洗脳されるのはティーンエイジャー。
レンタルでカセットに落として終わり、ということになって刈り取れなくなってしまったのだ。

そこで、レコードがCDに切り替わるに際して、入念にマーケティングが行われ、
「誰がレコード、CDにおカネを払っているのか」
を調べたところ、結論は、

20代、30代の独身の男女

ということだった。
そりゃそうだろう。社会人になって自分で給料をもらって、しかも独身だから可処分所得も多い。
これは今も同じじゃないかと思う。

そこで、当時その人たちにリーチするにはどうするかを徹底的に調べた結果、この層の人たちは
1) トレンディドラマをよく見ている
2) カラオケによく行く
ということが判明。
なので、ドラマのテーマソングとしてタイアップし、カラオケをカップリングに入れ、ということをしていったたところ、ミリオンがどんどん出だしたのだ。
「ラブストーリーは突然に」「SAY YES」「君がいるだけで」「悲しみは雪のように」なんかはこの潮流に乗って国民的なヒットになって行った。
見事にレコード業界は再生に成功したのだった。

で、じゃあ、現在この層の人たちにボカロをリーチするにはどうすればいいだろう。
ボクが思いついたのはコレ

1. 深夜アニメのテーマソングにボカロを使ってもらう!
2. ボカロ版イカ天!
3. サブスクリプション型音楽配信サービスで、ボカロのランキング番組、新作紹介番組を配信

1がプッシュ型、3がプル型、2はその中間といったところ。
でも流れはこれでできるかもしれないけど、
「20代、30代の人たちに強引にプッシュするだけでボカロを気に入ってもらえるのか」
という疑問が残る。これが成り立たないとすべては絵に描いたモチ。

【実現のための課題、時期】
まず、アイドルオタク、ジャニーズオタクの人たちはこの層だろう。
そういう意味で、握手券ビジネスはゆるぎない基盤の上に成り立っているといえる。
ただ、この層のすべての人がアイドル好きというわけではない。

前になんかの本で、10代半ばによく聴いた音楽が、その人のその後の音楽の好みを決定づける
と書いてあったのを読んだ。確かにそうだと思う。

今30歳前後の人が10代半ばっていうとちょうど2000年前後。
このころはボーカル中心のアーティストが売れていた時代だ。
宇多田ヒカル、倉木麻衣、小柳ユキ、浜崎あゆみ、平井 堅、Glay、福山雅治

この辺を聴いていた人たちがボカロを好んで聴くようになるかということだ。
ボーカルよりリズムや楽曲のメッセージを重視する人でないとボカロは受け入れられにくいと思う。

一方、逆転の発想でいくと、ボカロの全盛期 2010年--12年に10代半ばだった人たちが社会人になっていくと、ボカロにカネを払うようになる、ということだ。
ちなみに、2011年に15歳だった人が大学を卒業するのは2018年。

ということは、あと3年はボカロは鳴かず飛ばずだが、オリンピックのころから次第におカネが落ちるようになる可能性がある、ということでもある。

是非オリンピックでボカロタイアップができるといいんだけど。
ボカロメーカーの人たちにはロビー活動是非頑張ってほしい。

しかし、そもそもオリンピックまで持たないんじゃないか?
今すぐできる方策が何か必要だろう。

【ボカロの強みを押す】
そこで、もっとボカロとして強みが出せないのか考えてみたのがコレ。


ボカロを音楽としてでなく、PVとして売るようにする

っていうのはどうだろう。

ボカロを音楽として他の音楽と比較、勝負する形だと、強みを生かせてないと思う。
どうしてもボーカルの表現力は弱いわけだから。

一方ボカロ曲のすばらしいところは、音楽、歌詞、PVが一体になってメッセージを表現しているところ。
この強みをもっと前面に出すべきじゃないか。

しかし、「動画をサブスクリプションサービスで視聴する」ってニコニコ動画でタダで見ているのと何ら変わらない。コレをどうやっておカネにしていくか、だ。
ここが今回のオレの思いつきレベルでは弱いところ。

【付加価値は何か。何に対しておカネを払ってもらうのか】

1つ考えたのは、

気に入ったものをダウンロード購入すると、イラストをスマホの待ち受けに使ったり、動画を着うたとして使える

ってすることぐらい。
あとは、ニコ動のプレミアムよりさらに帯域保証をして止まらないようにする、ってことかな。

プロ級の人たちがニコ動にアップしないで、有料のサブスクリプションサービスにだけ登録する

っていう流れになってくるといいんだけど。それだけのモチベーションになっていくかどうか。
ニコ動にはショートバージョンだったり、歌詞のみの静止画だったりで、有料サービスだと動画になるとか。

今思いつくのはそんなところ。うーん、ちょっとまだ詰めが甘いかな。

この辺の詰めの部分、いっしょに実現可能なアイディアを考えられたら、一儲けできますよ。
だれかいっしょにやりません?

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ご感想、アドバイスなどありましたら、TwitterかFacebookでコメントください。

レジェンドの始まりはここから: http://dekunobobenkay.blog.so-net.ne.jp/2013-01-05

Twitterアカウント: 新P名=20.5cP@GUMI誕参戦
今まで投稿した曲: 公開マイリスト


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タグ:ボカロP
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